この施設への階段は植物の妨害によって塞がれている。 役目を終え、海抜0メートル地帯を守ってきた排水場が眠る。 施設専用の変電設備。猛獣と同じく檻に入れられている。時たま脱走する。 その裏側に建物が見えてきた。 この施設が作られたのは、設備を見るとだいぶ古い事がわかる。タイル張りのガスレンジ。 ここで職員の賄いが作られたのか。 風通しはよく、木戸は余生をラクに生きている。 職員の休憩室か宿直室だった部屋。天井が破れて日当たり良好。 電熱コンロとその仲間たち。色々と煮炊きしたのだろう。 窓ガラスはすっかり曇って日差しを和らげる。廃墟にしかない柔らかさ。 窓ガラスがない窓もある。植物が今にも進入しそうだ。 まるで宇宙船のドックのようなポンプ群。かっこよすぎ。 これも猛獣なので檻の中。たまに人を襲う。 日本酒発見。酒飲みながら仕事してたのか? これまたカッコイイエンジン。日本のランボルギーニ、ヤンマー製。 流量計と記録紙。古代のプリンター。 男ならこれに乗って宇宙戦争に出かけたくなる。帝国の野望を撃つ為に。 私達の知らない所でカッコイイ機械たちが錆びていく。誰もが忘れた過去の棲家。
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